不動産の価値は路線価をみればわかる!?

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路線価・・・土地の税金算定のために、この通りは50万円/平米
といった、路線(道路)ごとの価格が示されている。

地域間の差を見るには参考になります。

ただ・・・これをベースに敷地面積を掛けたものが、適正な価格かといえば、多くの場合No.です。

なぜか、理由はいくつかあります。

税金算定のための価格であることが1つ。

最も注意すべきは、敷地の規模や形状、接道関係によって、価格は大きく変わるからです。

具体例を一つ・・・

都内近郊、店舗もマンションもOKな地域です。


土地価格を路線価ベース [100万円/平米]×[土地面積]で考えていたA氏。
近くの土地の売買価格  [150万円/平米]×[土地面積]で考えていたB氏。

まず、その価値がないことは明らかでした。

なぜか?
そこを利用して建物建築を想定してみると明確になる。
その土地はまとまった規模があり、通常であれば低層階を店舗、中層階をマンションとして利用するのにちょうど良い。
投資対象としてみても優良なエリアです。

ところが、極めて複雑な形状、奥まった部分が孤立して袋地に近い。




土地を二分して最適な建物を想定してみましょう。

土地1について
低層階もマンション利用です。
日影規制っていうのがあるんですが、敷地に凹凸が多いと、その影響を受けやすく、効率的に利用できなくなります。
また、本件のような細長い土地は住宅設計上の多様性に欠ける面がある。これもマイナス要因。

本来とれたはずの床面積がとれない。売ったり貸したりするスペースが減るということは、それだけ土地の効用が下がる、価値が低くなるということです。

土地2について
単体で見れば店舗立地としての条件が揃っています。
人通りの多い街路沿い、間口の広い角地で視認性も高い。
高い家賃がとれる店舗となるはずです。

全体としては、土地1の面積が大きいので、単位あたりの価格は低くなるでしょう。
マンション賃料単価 < 店舗賃料単価

適正価格を出すために
2つの方法論からアプローチして、出てきた価格に対して検証を行っていきます。

結果、適正価格は80万円/平米でした。

大したこと無い?イメージがわかない!?

総額で示してみましょう。この敷地は千平米あります。

算定した人 単価 総額 鑑定結果との差額
鑑定士(私) 80万円 8億円
A氏 100万円 10億円 2億円
B氏 150万円 15億円 7億円

B氏の場合、7億円の差が出ます。適正価格の倍近く違うわけです。
個人でも企業でも、これは大きな話です。

売る時にわかったではちょっと遅い。
企業不動産として見れば、情報開示の観点、会計上の問題ありです。

軌道修正が早いに越したことはありませんね。

※今回のケーススタディはこれまでの経験を基にしたフィクションです


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[土地の形はさまざま]

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その1
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その2
不動産の単価 ☆ 注意報